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Scene Report

LiFTED創刊5周年!アジアのヒップホップを盛り上げた5年間を振り返る

記憶に残る出来事トップ5や象徴的なインタビュー、カバーなどを一挙紹介。

LiFTED | Marcus Aurelius | 6 4月 2026


5年前、コロナ禍が猛威を振るい、世界中が混乱に陥っていた。そんな状況のなか、自宅に閉じ込められた人々に香港・台北・ハノイ・上海・東京などアジア各地から届く、"成長著しいアジアのヒップホップシーン"を現地視点から紹介したいという想いから産声を上げたLiFTEDが、今月めでたく創刊5周年を迎えた。

LiFTEDでは、この間、シーンのスーパースターたちを迎えた61号分のカバー(表紙)、2600本以上の記事、3050件のInstagram投稿を展開してきた。また、多くのアジアのヒップホップ・アーティストとの良好な関係を築くとともに、アジア全域および世界のMCたちをランキングする『LiFTED 50』も過去4年間にわたって発表してきた。

今回は創刊5周年企画として、これまでの5年間における節目となった出来事、インタビュー、カバーを振り返りたい。

LiFTED 記憶に残る出来事トップ5

Bohan Phoenixとのローンチ

創刊号の表紙を飾ったのは中国系アメリカ人ラッパーのBohan Phoenixだった。東洋と西洋を見事に橋渡しし、卓越したスタイルで自己流のヒップホップを貫く彼の姿は、LiFTEDが目指すものをそのまま体現していた。まさに創刊号の顔として、これ以上ない存在だった。

VannDaが「Time to Rise」で大ブレイク

2021年4月、創刊からまだ1ヶ月も経たない頃、LiFTEDはカンボジアのラッパーVannDaのシングル「Time to Rise」を取り上げた。クメール・ルージュ(1975〜79年のポル・ポト政権)を生き延びた同国の有名アーティストであり、「カンボジアのRay Charles」とも呼ばれるMaster Kang Noyの歌声とストリートラップを組み合わせたこの曲は、公開当初から大きな反響を獲得。まもなく再生回数は1億回を突破した。この成功により、VannDaは同国最大のアーティストとなり、LiFTEDの表紙も飾った。その後、VannDaはカンボジア国内で大型公演を行うまでに成長。2024年夏季オリンピックの閉会式ではパフォーマンスを披露した。

LiFTED、Rolling Loud Thailandへ

タイの人気音楽フェス・Wonderfruitで進出の足がかりを作ったLiFTEDは、Rolling Loud Thailandのプレスパスを手にした。現地は気温が40度台後半に迫る過酷な環境だったことともあり、当日はアーティストのステージが始まる前から倒れる観客も出るほどだったが、それでもショーは圧巻だった。この取材では、アジアのヒップホップアーティスト11組へのインタビューを実施したが、ステージという自然な舞台で彼らの勇姿を捉えたことが、最大のハイライトとなった。また、当時ヘッドライナーだったLil Uzi Vertのダンスを、多くのアーティストがLiFTEDのSNS向けに披露してくれたことも印象深かった。

Awich、「LiFTED 50」2年連続1位獲得

日本のAwichは、アジアのヒップホップ史上最も安定した実績を誇るラッパーの一人だ。アトランタでの生活を経て英語と日本語双方でフロウする彼女は、深い悲劇を背負っている。一方で、ヒップホップのOGグループ、Wu-Tang Clanともつながりを持つ。そんな彼女が、MaSiWei、VannDa、Jay Park、KR$NAというアジア各地の重鎮を招いてリリースした「Asian State of Mind」は、今では究極のアジアン・ヒップホップコラボ曲として語り継がれている。こうした実績を携え、Awichは2024年、2025年と「LiFTED 50」の1位を獲得した。果たして2026年版での3連覇は実現するだろうか? その答えは今年6月に明らかになる。

LiFTED Japan始動

数年前、LiFTEDのインドネシア版ローンチを模索したこともあったが、先月、ついに初の現地語スピンオフとなるLiFTED Japanが正式にローンチされた。優秀なチームが牽引するLiFTED Japanと、あらゆる面で先進的な日本というフィールドが持つポテンシャルは、計り知れない。

LiFTED トップ5インタビュー

Fab 5 Freddy

ヒップホップ50周年を記念し、LiFTEDはFab 5 Freddyへのインタビューを実施した。このカルチャーの礎を築いた一人である彼は2009年に上海、2012年に香港を訪れ、アジアを旅した経験を持つ。そんな彼は真のOGとしてアジアのヒップホップへの深い見識を惜しみなく語ってくれた。

MC Yan

あらゆる面で地元・香港をレペゼンするMC Yanは、まさに本物のOGだ。グラフィティ・アーティストとしての彼は、世界中から愛され、リスペクトを集めている。また、ラップ・メタル・グループ「LMF」のメンバーとしては、当時の若者たちの本音を代弁するカリスマ的な存在でもあった。このインタビューが行われた当時、彼はUber EatsのCMにも起用されており、称賛を浴びていた。

DaBoyWay

ヒップホップのOGを語るうえで、タイのヒップホップグループ・Thaitaniumは外せない。そのメンバーのDaBoyWayは26年にわたって熱狂的なライブパフォーマンスを繰り広げてきた。さらにSnoop Doggをはじめとする国際的スターとのコラボを重ねることで、タイでヒップホップが広く愛されるカルチャーへと根付かせてきた立役者だ。また、現在はヒップホップがビジネスでもあることを証明するかのように、"微笑みの国"として知られる母国に36店舗のバーバーショップ「NEVERSAYCUTZ」を展開している。

Seedhe Maut

デリー出身のインディー・ヒップホップデュオ、Seedhe Mautは確実にストリートを席巻している。メインストリームの成功にも、周囲への同調にも、まったく関心を示さない。そのスタンスで、インドのヒップホップシーンを自分たちが立つ側に引き寄せている。

Awich

日本のヒップホップシーンの女王Awichは、今やグローバルスターだ。Wu-Tang ClanのRZAが全曲プロデュースしたアルバムをリリースし、Lupe FiascoやFERGとのシングルも発表した。そんな彼女は、現在、玉座に独り座し、世界の動向を見据えている。


LiFTED トップ5カバー