ヒップホップミュージック50余年の歴史において、Nasはそのリリカルスキルによって常に最前線に立ち続けてきた。彼はヒップホップ史上最高のデビューアルバムの一つである『Illmatic』で嵐のようにシーンに登場し、それ以来16枚のアルバムをリリースしてきた。
マイクでの圧倒的な実力に加えて、Nasはグローバルな視点を持つことでも知られている。2019年にNasの「Mass Appeal Records」は、インドのヒップホップ界の重鎮DIVINE、AP Dhillon、Karan Aujlaと契約。南アジアのヒップホップの存在感を世界中で拡大した。さらに2024年11月にはパキスタンのヒップホップコミュニティを盛り上げるため、有望アーティストのTalha Anjum、Umair、そして新星JANI、Maanu、Blal Blochと契約を結んだ。
Talha Anjumはカラチ出身のラッパー、ソングライター。パキスタンの人気ヒップホップデュオYoung Stunnersのメンバーで、ウルドゥー語(パキスタンの国語)ラップをパキスタンの主流音楽シーンに導入した先駆者として知られる。2024年11月には契約後初のアルバム『My Terrible Mind』(後述するUmairとの共作)をMass Appeal Recordsからリリースし、Spotify Pakistan 2024で最もストリーミングされたアーティストとなった。
Umairは、カラチ出身のプロデューサー。2019年にYoung Stunnersと共にリリースしたヒップホップデビューシングル「Asli Hai」がYouTubeチャートで1位を獲得し、南アジア全域で話題となった。
JANIは、ウルドゥー語と英語の歌詞をヒップホップビートに乗せる新世代アーティスト。代表曲「Anjaan」「Yaad Mein」でパキスタンのチャートを席巻した実績を持つ。
Maanuは、ラホール出身の若手アーティスト。Mass Appeal Recordsは独自のスタイルでパキスタン音楽シーンを魅了している彼を「新世代のパキスタン音楽における最も若いミュージシャンの一人」と評している。
Blal Blochは、シンガーソングライター、ラッパー、プロデューサー、マルチインストゥルメンタリスト。幼少期にトロントからパキスタンに移住。Nasのアルバムを繰り返し聴くことでストーリーテリングを学んだと語っている。
契約発表当時、ヒップホップカルチャーを知り尽くした男として、Nasは「パキスタンのエネルギーと才能は本当に刺激的で、このエキサイティングな新しい章を楽しみにしている。この活気あるシーンは今後10年間で大きく進化するだろう。我々がその最前線にいることを誇りに思う」と語っている。
Talha Anjumの実績を考えるとNasの審美眼は正しいようだ。







