かつてスペインとアメリカの植民地であったフィリピンは、アジアで最初に独自のヒップホップシーンを確立した国だ。フィリピンでラップバトルが台頭した背景には、前世紀を通じてアメリカとの間に築かれた歴史的なつながりと、その文化的影響が大きく関わっている。アメリカでヒップホップシーンが急速に成長を遂げると、フィリピンもその波に乗るように発展していった。
そうした歴史的背景を持つフィリピンにおいて、YouTubeでの再生回数が17億回を突破し、今なお増え続ける"最も視聴されているラップバトルシリーズ"が存在する。その地位を築くことは決して容易ではないが、フィリピンのラップバトルリーグ『FlipTop』は、この称号を手にしており、世界最大のラップバトルリーグとして君臨している。

2010年に誕生したFlipTopは、創設以来一貫して、地元ヒップホップの最高峰の才能を世に送り出すという目標を掲げてきた。バトルには多彩なバリエーションがあり、それぞれ異なる形式で展開される。1対1、2対2、5対5といった形式に加え、バトルロイヤル(複数のラッパーが入り乱れて戦う多人数バトル)、女性ラッパー限定バトル、そして男女混合バトルなど、FlipTopは長年にわたり様々な工夫を凝らし、観客をバトルに惹きつけ続けてきた。
FlipTopバトルリーグの代表であり創設者でもあるAlaric Yusonは、同リーグについて、こう語る。
「私たちは、最高の実力者、最もふさわしい人物、そして、まだ評価されていない才能の中から選抜することで、可能な限り包括的でバランスの取れたリーグを目指しています」
彼はさらに次のように続ける。
「私はただ、プラットフォームを提供したかっただけなんです。才能はずっとここにあったことを知っていました。もし世界中の人々が理解できさえすれば、彼らがどれほど天才的であるかを認識するでしょう」

FlipTopが成功を収めた理由は複数考えられる。ラップバトルには、フィリピン文化の多くの要素が集約されている。
例えば、言語が持つ自然なスタッカートリズム、ボクシングへの情熱、そしてアメリカとスペインからの文化的影響だ。これらの要素は、ラッパーたちが鋭いパンチラインを繰り出すことで、観客をボクシングの試合さながらの熱狂へと巻き込んでいく様子に如実に表れている。
現在もラップバトルはフィリピンで爆発的な広がりを見せており、フィリピン固有の文化と言語が、このシーンを他に類を見ないユニークなものへと昇華させ、この国を世界で最もエキサイティングなラップシーンの拠点の一つへと押し上げている。
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