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Asia

Balming Tigerのラッパー・Omega Sapienが「Krapow」で描く無国籍クラブミュージック

タイのリズム x バイレファンキのバウンス感 x EDMのエッセンスに英語と韓国語のコールアウトを重ねた意欲作。

LiFTED | Marcus Aurelius & Jun Fukunaga | 20 2月 2026


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イグニッションが回り、ホーンがリズムを刻み始めた瞬間、Omega Sapienがどこかとんでもない場所へ連れて行ってくれることを予感させる。彼のアジアを軸にしたダンスアルバム『Leader』からのリードシングル「Krapow」は、日常の街の騒音をクラブ・ウェポンへと変貌させる楽曲だ。韓国を拠点に活動するオルタナティブK-POPコレクティブ・Balming Tigerのフロントマン兼ラッパー・Omega Sapienは、自ら「愛によって生み出されたグローバルなクラブミュージック」と呼ぶサウンドを2分半にわたって披露する。

幼少期を中国、中高生時代をアメリカ・ニュージャージー州で過ごし、その後日本の大学で経済学を専攻したという多国籍なバックグラウンドを持つOmega Sapienは、ステージで放つ圧倒的なエネルギーと独創的なファッション、そして高い語学力で世界を股にかける注目アーティストだ。

本曲「Krapow」は、ラテンのチャチャチャのリズムをローカライズしたタイの「3 Cha」を基盤に、ブラジル発のダンスミュージック・バイレファンキのバウンス感、EDMのエッセンス、そして英語と韓国語によるカオティックなコールアウトを幾重にも重ねた、パスポート不要のグローバルなクラブミュージックだ。それ故にビートが鳴り響いた瞬間、笑顔で体を動かさずにはいられなくなってしまう。

そして、その熱量をそのまま盛り込んだMVも必見だ。不条理かつカラフルで、堂々たる狂気に満ちている。仏陀が踊り、6人の僧侶が1台のスクーターに乗り込む。Omega Sapienは熱に浮かされた夢を見るかのように、鷲の背に乗って雲の中へと飛び込んでいく。その模様は、まさにBalming Tiger特有の大胆不敵さが光る、シュールなストリート・スペクタクルを感じさせる。

フジロックへの出演や単独公演などを通じて、日本でもその知名度と人気が着実に上昇しているBalming Tiger。彼らは常にトレンドの一歩先を行くことを得意としてきたが、「Krapow」はOmega Sapienがソロでも同様に破壊力を持つことを証明する1曲だ。制御されたカオスの中、彼は爆弾をダンスフロアに叩き込んでいる。

なお、アルバム『Leader』はOmega Sapienにとって、およそ3年ぶり新作となる。先述の3 Chaのほか、フィリピンのBudots、インド南部のKuthu、インドネシアのJedag Jedug、K-POPなどアジア各国のダンスジャンルを有機的に融合した作品となっている。

Omega Sapienの「Krapow」は以下でチェックできる。