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Asia

ギャング、銃、暴力の街から抑圧される女性たちのために歌うパキスタン初の女性ラッパー、Eva Bとは?

Disney+初のムスリム&パキスタン系スーパーヒーローを描いたシリーズ『ミズ・マーベル』での楽曲採用で注目を集める

LiFTED | Marcus Aurelius | 21 1月 2026


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2022年6月にDisney+でリリースされた『ミズ・マーベル』は、初のムスリム&パキスタン系スーパーヒーローの登場により大きな話題を呼んだ。批評家たちは、南アジア文化を余すところなく描いたこの作品を、多様性を象徴する画期的な作品として高く評価した。特筆すべきは、パキスタン初の女性ラッパーEva Bの楽曲が第1話のエンディングで使用されたことだ。彼女の楽曲「Rozi」は、インドとパキスタンのヒップホップ要素とシネマティックなサウンドを融合させた、女性のエンパワーメントを謳う力強いアンセムとして、国際的な注目を集めた。

Eva Bは、パキスタン・カラチ出身の同国初の女性ラッパーということでなく、パキスタンのバローチ民族出身の初のベールを着用する女性ラッパーとしても知られる。そのステージネームは、人類最初の女性「イブ(Eve)」に由来する「Eva」と、バローチを意味する「B」を組み合わせて命名されたもの。Eminemに影響を受けた彼女は、パキスタンの公用語であるウルドゥー語と、バローチ民族の言語であるバローチ語で作詞し、失業、平和、児童婚、教育といった大胆な社会問題を音楽を通じて訴えてきた。

出身地であるカラチのリャリ(Lyari)地区は、ギャング抗争、銃、暴力で悪名高い地域だが、同時に多くのアンダーグラウンド・ラップの才能を輩出してきた場所でもある。録音スタジオも専門機器もない環境で、彼女は創意工夫を凝らした。クローゼットの中に座り、携帯電話で初めての楽曲を録音。それをパキスタン最大の音楽ストリーミング・プラットフォーム「Patari」の責任者Zari Faisalに聴かせたところ、高く評価された。

注目を集めることになったきっかけは、2019年に社会から抑圧される女性たちへのトリビュートとしてリリースしたデビュー曲「Gully Girls」だ。同曲で母国全体の共感を呼んで以来、Eva Bはパキスタンのヒップホップシーンでセンセーションを巻き起こしており、現在、YouTubeでは数百万回の再生を記録している。

『ミズ・マーベル』公開当時、Eva Bは自身のInstagramで「本当に最高の気分です。『ミズ・マーベル』にフィーチャーしてもらえたことは、すごく嬉しいし、幸運なことです」と投稿している。

しかし、表現における全ての進歩には必ず反対者が現れる。当時、映画・ドラマレビューサイトIMDbでは、『ミズ・マーベル』がいわゆる「レビュー爆撃」の標的となった。これは視野の狭いレビュアーたちが、主役がクリスという名前の白人異性愛者男性ではないというだけの理由で、作品に最低評価の1点をつけるという行為だった。

こうした悪意あるレビューは確かに多数存在したものの、一般の視聴者の41%が最高評価の10点をつけている。また、同作は批評家たちから絶賛されたことで、紛れもないヒット作となり、マーベル・シネマティック・ユニバースにとって大きな一歩を刻んだ作品となった。