LEXはローカルカルチャーに根差しながらも世界を見据える、新世代の日本人ラッパーだ。川崎という街が育んだストリートラップの荒削りなエネルギーを持ちながら、現代ヒップホップにおけるメロディックな感性と感情をさらけ出すスタイルを自分のものにしている。
LEXが他と一線を画すのは、弱さと強さを絶妙に同居させているところにある。金や車、ステータスを語ったかと思えば、孤独や重圧、若くして世間の注目を浴びることで生まれる期待に対するプレッシャーを率直に吐き出す。この二面性が楽曲にリアルな人間味を与え、Z世代のファンを惹きつけている。LEXは近寄りがたいスーパースターを気取らない。むしろ、今まさに自分の生き方を探しながら前に進む、等身大の人間として映る。
急速にグローバル化するシーンの中で、LEXは日本の若者たちの声をそのまま世界に発信している。アメリカのラップを真似るのではなく、ヒップホップという言語を通じて自分自身の経験を語っているのだ。日本のヒップホップがアジアをはじめ世界各地に広がり続けている今、LEXは次の時代のシーンのサウンドと空気感を作り上げていく担い手の一人として、確かな存在感を示している。
今回、LiFTEDは2月のカバースターとしてLEXにインタビューする機会を得た。ぜひチェックしてみてほしい。
最初にヒップホップに惹かれたきっかけは何でしたか?音楽を作り始めた理由を教えてください。
生まれた頃から、いやお腹の中にいた頃から常に音楽が流れていて、どこからヒップホップを好きになったのかは分からないけど、ジャンルはともかく音としては小さい頃から認識していました。
音楽を作り始めたのは15歳くらいだと思います。
かなり若い年齢で一気に注目を集めましたが、若くしてスポットライトを浴びる中でどんなことを学びましたか?
常に感謝の気持ちを忘れないこと。10代の頃はソーシャルメディアで馬鹿なフリをしたり、誰かを馬鹿にしたりしてきたけど、そこから得られたものは一時的な成功でした。
これまで神奈川という場所は、あなたの音楽にどんな影響を与えてきましたか?
全てです。自分が使う言葉、歌う内容、性格、その全部は地元から授かったものです。
妹のLANAもヒップホップに関わっていますが、その流れはどのように生まれたのでしょうか?家族と一緒にコラボレーションすることについて、どんな気持ちですか?
LANAはすごくアイコニックなアーティストで、才能が凄くあります。
お互いに家族の時間とステージの時間はきちんと使い分けています。
あなたにとっての“ラップ・ゴッド”トップ5は誰ですか?その理由も教えてください。
正直、トップ5を決めることはできません。
PR、パフォーマンス、ライフスタイル、スキルなど、総合的に考えるととても難しいです。
より内省的なスタイルになったきっかけを教えてもらえますか?
きっかけは、USの本場の音楽や環境に実際に触れたことかもしれません。自分は厳しい環境で育ったと思っていましたが、アメリカの友達はもっと厳しい環境で育っていて、それでも幸せそうに笑っています。
ホームレスで家がなくても幸せそうにしている人を見たとき、自分がどれだけ幸せか気づきました。
「億万長者」について教えてください。
ラップではなく真剣に歌に向き合うと、たくさんの課題が見えてきました。 自分はまだ歌えていない、スタート地点にも立っていないと気づき、たくさん練習しています。
歌の世界で自分にしかできない歌い方は何だろうと考え続けた結果、「億万長者」のような曲が生まれました。
少しずつ、自分の歌い方が見えてきた気がします。
もしラッパーになっていなかったら?
誰かの下で働いたこともないし、人の命令を聞くのは苦手です。仕事ができる年齢の頃には全国を回っていたので、正直まったく想像できません。
今後コラボしたいアーティストはいますか?
いつか矢沢永吉さんの「ウィスキーコーク」を歌わせていただきたいです。
2026年の目標を教えてください。
全国の人々にとって、光のような、太陽のような、負けても立ち上がるヒーローのような存在になります。




