2024年、アジアのコンサート業界で最も大きな話題となったのは、YeことKanye Westが中国の海南島で2公演を開催したことと、Taylor Swiftがシンガポールで6夜にわたって30万枚以上のチケットを売り上げたことだった。そして2025年1月、海南島はこの2つの成功例を組み合わせようと、ヒップホップ界の大物であるCardi BとTravis Scottの招致を進めた。
South China Morning Postの報道によれば、海南当局は同島を音楽イベントの一大目的地に変えようとしている。海南島・海口市の観光・文化・ラジオ・映画・テレビ局長のWang Ke氏は、海南島について「高度にオープンで包摂的な姿勢を持つ、世界でもユニークな舞台芸術都市の一つ」だと語った。
これは昨年9月にYeが五源河体育場で2公演を完売させ、1公演あたり700万ドル(約10億円)以上の収益を上げたことを受けての発言であり、中国は有名アーティストを招致する上で大きな存在感を示すようになったことを意味する。
また昨年3月には、当時タイの首相だったセター・タウィーシン氏が通常は表に出ない裏事情を公言している。シンガポールがTaylor Swiftに200万~300万ドル(約3億円〜約3億円〜約4億6000万円)を支払い、彼女のErasツアーの6公演をシンガポールでのみ開催し、東南アジアの他の地域では一切行わないという独占契約を結んでいたと明かしたのだ。その理由は明確で、6回のコンサートによって音楽ツーリズムで2億5000万ドル(約386億円)もの経済効果を生み出したという。
中国は補助金政策に長けており、今回もその手法を踏襲している形だ。当時、Cardi Bは2025年にアルバムをリリースする予定とされており、海南島の4万人収容アリーナで複数公演を完売させることは十分可能だと見られていた。一方のTravis Scottは、1年以上かけて2億1000万ドル(約322億円)の収益を上げたCircus Maximusツアーを終えたばかりで、彼ほどのネームバリューがあれば多くのヒップホップファンを海南島に呼び込むことができると予想されていた。
しかし、Cardi Bは9月にアルバム『Am I the Drama?』を実際にリリースするも現時点では海南島での公演は実現していない。一方でTravis Scottは、2025年11月1日にCircus Maximusツアーのアジア公演の一環として、海南島の三亜市で公演を行っている(11月8日には埼玉・Belluna Domeで日本公演を実施)。







